制作実例
WORKS
【製作事例】捨てるには惜しい。でも、何に使う?構造用合板の端材で木製看板を作ってみた。
2026.10.16.

【製作事例】捨てるには惜しい。でも、何に使う?構造用合板の端材で木製看板を作ってみた。
針葉樹合板24mmとレーザー彫刻。木材屋の端材の使い道。
木材屋をやっていると、端材が出ます。
これはもう、どうしようもない。
寸法を切り揃えたり、必要な部分を切り出したりすれば、必ず何かしら残ります。
それがまた、微妙な大きさだったりするんです。
捨てるには惜しい。
でも、取っておいたところで、いつ使うのかわからない。
端材というのは、なかなか厄介な存在です。
今回使ったのは、厚さ24mmの針葉樹構造用合板。
住宅などの構造部分に使われる、いわゆる構造用合板です。
特別に高級な木材でもなければ、見た目の美しさを売りにしている材料でもありません。
どちらかというと、実用第一。
強度や性能が求められる木材です。
そんな合板の端材を眺めていて、ちょっと思ったんです。
これ、看板にしたらどうなるんだろう。
■ そもそも、構造用合板って見せる材料じゃない。
構造用合板は、住宅の壁や床、屋根の下地などに使われています。
建物を支える大切な役割があるんですが、完成した住宅では、ほとんど見えなくなります。
壁紙や床材の下に隠れてしまう。
つまり、仕事はしているのに、あまり人目には触れない木材なんです。
なんだか、縁の下の力持ちという言葉がぴったりです。
でも、今回の合板を見ていると、表面の木目も悪くない。
節もあるし、色むらもある。
きれいな化粧板と比べれば、ずいぶん荒っぽい表情です。
ただ、それを欠点と見るかどうか。
ここが面白いところなんですよね。
隠して使えば下地材。見せて使えば、それが表情になる。
木材そのものは何も変わっていないのに。
■ レーザーで文字を彫ってみた。
今回は、この24mm厚の針葉樹合板にレーザー彫刻を施しました。
デザインは、文字を中心にしたシンプルなもの。
「NOW.」
大きく入れた文字が、なかなかいい感じです。
レーザー彫刻は、木の表面を熱で焼きながら文字や模様を入れていく加工です。
インクで印刷するのとは違って、木そのものに焦げ色がつきます。
ただ、木材というのは、なかなか素直に焼けてくれません。
木目の硬い部分と柔らかい部分。
節の周辺。
場所によって、焦げ方も変わります。
特に針葉樹合板は、表面の状態が均一ではありません。
きれいに揃った文字を彫ろうとしても、木のほうが勝手に表情をつけてくる。
もちろん、加工する側としては、少々困ることもあります。
でも、今回のような看板だと、その不均一さが案外いいんです。
均一に仕上がったものとは違う、ちょっと荒っぽい感じ。
きれいに仕上げることと、格好よく仕上がることは、必ずしも同じじゃない。
そんなことを感じました。
■ 24mmという厚みも、なかなかいい。
今回の合板は24mm厚。
看板として考えると、結構な厚みがあります。
木口を見ると、薄い板が何層にも重なっているのがわかります。
これが合板の特徴です。
普通なら、木口を隠したり、きれいに処理したりすることもあります。
でも、今回はこの積層された断面も、合板らしさとして見せています。
無垢材とは違う、独特の存在感があります。
薄い板に文字を印刷しただけでは出せない、塊としての感じ。
こういうのも、実際に作ってみないとわからないものです。
■ 端材って、誰が決めたんだろう。
そもそも端材というのは、何なんでしょうね。
必要な寸法から外れた木材。
使い道が決まっていない木材。
そんなところでしょうか。
でも、よく考えると、木材そのものが悪くなったわけではありません。
ただ、今の仕事では必要なくなっただけ。
今回のように看板にしてみると、普通に使える。
いや、むしろ、この材料だからこそ出せる雰囲気もある。
端材って、木材の名前じゃなくて、人間の都合でつけた名前なんですよね。
これ、考えてみるとちょっと面白い。
さっきまで余りものだった木が、加工した途端に商品になる。
もちろん、端材なら何でも商品になるわけではありません。
使い道のないものは、やっぱり使い道がない。
保管しておくにも場所が必要です。
木材屋としては、そこも現実です。
でも、少なくとも今回の合板には、別の使い道がありました。
■ 木材屋だから、できることなのかもしれない。
私たち株式会社ひぐち木材は、福岡市で木材販売をしています。
住宅用の木材を扱う、昔ながらの木材屋です。
その一方で、ナノナノファクトリーという名前で、レーザー加工やUV印刷、木製品の製作も行っています。
木材を販売していると、端材が出る。
加工設備があると、その端材で何か作れる。
考えてみれば、なかなか都合のいい組み合わせです。
ただ、木材屋が加工機械を持ったからといって、何でもうまくいくわけではありません。
材料によって加工の向き不向きもありますし、思ったような仕上がりにならないこともあります。
でも、そこをあれこれ試してみるのが面白いんです。
今回の看板も、そのひとつ。
高級な木材を使わなくても、ちょっと見方を変えて、加工を加えるだけで、こんなものができる。
木材の価値って、値段だけでは測れないものですね。
■ きれいな木ばかりが、いい木じゃない。
木製看板というと、ヒノキや杉の無垢材などを思い浮かべる方も多いと思います。
もちろん、それもいい。
でも、今回のような構造用合板も、使い方によっては面白い素材になります。
節がある。
木目が荒い。
レーザーの焦げ方も均一ではない。
普通なら気になるところが、今回はむしろ味になっている。
ただ、これは何でも雑に作ればいいという話ではありません。
狙って荒っぽく見せるのと、単に仕上げが雑なのとは違いますからね。
そのあたりは、なかなか難しいところです。
今回の看板を見て、改めて思いました。
木材って、まだまだ使い方があるんだなと。
何十年も木材を扱っているのに、今さらそんなことを思っています。
木材屋も、案外知らないことが多いものです。
■ 捨てる前に、ちょっと考えてみる。
端材を全部使い切ることは、現実的には難しいと思います。
でも、捨てる前に一度考えてみる。
何かに使えないだろうか。
違う形にしたらどうだろう。
レーザーで文字を入れたらどうなるだろう。
そんな小さな思いつきから、新しいものが生まれることもあります。
今回の看板も、もともとは構造用合板の端材です。
住宅の下地材として使われるはずだった木材が、今は人に見てもらう看板になっている。
木材って、使い道が変わるだけで、ずいぶん扱われ方が変わるものです。
端材だから価値がない。
そんなふうに決めつけるのは、ちょっと早いのかもしれません。
まあ、だからといって端材を全部取っておくと、工場が大変なことになるんですけどね(笑)。
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木で、「こんなのできる?」を形に。
ナノナノファクトリーでは、店舗什器・ディスプレイ・看板・ノベルティ・オリジナル商品など、木を使ったものづくりを行っています。
木材の選定から加工、レーザー加工、UV印刷、組み立てまで。
「こんなもの、木で作れるかな?」
そんなアイデアがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社ひぐち木材/ナノナノファクトリー