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【暦の名言】成功の秘訣を問うな。目の前の仕事に答えがある。
2026.11.07.

決めるまでは慎重に。決めたら、さっさと動く。
「決意は遅くとも実行は迅速なれ」
ジョン・ドライデン(1631〜1700年)
イギリスの詩人・劇作家
今日は11月7日、立冬。
暦の上では、いよいよ冬の始まりらしい。
ついこの間まで暑い暑いと言っていた気がするのに、もう冬だという。
歳を重ねるほど時間が早く過ぎるように感じるのは、僕だけではないだろう。
そんな今日、目に留まったのがこの言葉だった。
「決意は遅くとも実行は迅速なれ」
なるほど。
決断は慎重に、しかし決めたら素早く行動しなさい、ということだろう。
実にもっともな話である。
ただ、商売を長くやっていると、この当たり前のことが意外と難しい。
というのも、人間というのは考えれば考えるほど、かえって動けなくなることがあるからだ。
僕自身、思い当たる節が山ほどある(笑)。
考えている時間は、仕事をしている時間なのか
経営者という仕事をしていると、毎日何かしらの判断を求められる。
新しい設備を導入するか。
商品の価格をどう設定するか。
この仕事を引き受けるか。
新しい販路に挑戦するか。
人に任せるか、自分でやるか。
どれも簡単に決められることばかりではない。
もちろん、慎重に考えることは大切だ。
特に設備投資や資金繰りに関わることは、一度判断を間違えれば会社の経営にも影響する。
だから調べる。
人に聞く。
数字を確認する。
そして、また考える。
ここまではいい。
問題は、その先だ。
ある程度の情報がそろっているにもかかわらず、まだ考え続けてしまう。
本当に大丈夫だろうか。
もう少し良い方法があるのではないか。
今はまだタイミングが悪いのではないか。
そうしているうちに、いつの間にか一週間、一か月と過ぎていく。
本人は真剣に仕事をしているつもりなのだ。
しかし、冷静に考えてみると、何も進んでいなかったりする。
考えることが目的になってしまい、行動するという本来の目的を忘れている。
これは実に厄介なことだと思う。
木材屋がレーザー加工を始めるという決断
僕らは長年、木材販売を生業としてきた。
木材を仕入れ、必要な寸法や数量をそろえ、お客様のところへ届ける。
いわゆる昔ながらの木材屋だ。
しかし、時代は変わる。
住宅市場の変化、木材価格の変動、商流の変化。
これまでと同じことを続けているだけでは、先行きがどうなるかわからない。
そこで始めたのが、木材とデジタル加工を組み合わせたナノナノファクトリーという事業だった。
レーザー加工機やUVプリンターを使い、木材に新しい付加価値を与えていく。
今でこそ、木材販売と加工を組み合わせた仕事をしているが、最初から成功する確信があったわけではない。
設備は決して安いものではない。
導入したところで、お客様が来てくれる保証もない。
技術も覚えなければならない。
材料の特性も、加工方法も、販売方法も、従来の木材販売とは違う。
考えれば考えるほど、不安材料は出てくる。
でも、どこかで決めなければ何も始まらない。
そして実際に始めてみると、机の上で考えていたこととは違う問題が次々に出てくる。
加工がうまくいかない。
思ったより時間がかかる。
試作品をつくっても売れない。
価格設定が難しい。
まあ、そんなことの繰り返しである(笑)。
それでも、実際に手を動かしてみなければわからなかったことばかりだった。
行動することで初めて得られる情報がある。
これは新しい事業を始めて、特に強く感じたことだ。
失敗を避けようとして、機会を失う
僕らはできることなら失敗したくない。
それは当然だ。
お金も時間も無駄にしたくないし、人に迷惑もかけたくない。
しかし、失敗を避けることばかり考えていると、今度は何もできなくなる。
例えば、新しい商品を思いついたとする。
売れるだろうか。
価格はいくらが適切だろうか。
どこで販売しようか。
誰に買ってもらえるだろうか。
もちろん、こうした検討は必要だ。
ただ、すべての答えが出るまで商品をつくらないというのも、おかしな話だ。
そもそも、実物がなければお客様の反応もわからない。
試作品をひとつつくってみる。
誰かに見てもらう。
意見を聞く。
必要なら修正する。
そのほうが、机の前で何日も考えているより早く答えに近づくことだってある。
最近は、まず小さくつくって試してみることの大切さを感じている。
ただし、これは何も考えずに突っ走れという話ではない。
失敗したときの損失がどの程度なのか。
やり直しができるのか。
そこはきちんと考えておく必要がある。
大きな設備投資と、小さな試作品づくりでは判断の重さが違う。
だから、何でも即決するのではない。
慎重に考えるべきことと、さっさと試すべきことを区別する。
これも経営者に必要な感覚なのだろう。
決断しないことにも、代償がある
ここで、もうひとつ考えたいことがある。
それは、何も決めないことにもリスクがあるということだ。
僕らは何かを決めるとき、その判断が間違っていた場合の損失を考える。
しかし、決めなかったことで失うものについては、案外考えていない。
新しい商品を出さなかった。
取引先への提案を先延ばしにした。
ホームページの改善を後回しにした。
気になるお客様に連絡しなかった。
その結果、何が失われたのか。
実は、これを数字で表すのは難しい。
なぜなら、起こらなかった未来は誰にもわからないからだ。
もしかすると、大きな仕事につながっていたかもしれない。
新しい取引先ができていたかもしれない。
反対に、何も起こらなかったかもしれない。
ただ、行動しなかった以上、その可能性を確かめることすらできなかった。
失敗した経験は記憶に残る。
でも、行動しなかったことによって失った機会は、記憶に残りにくい。
これが、なかなか怖いところだと思う。
決めたことを、いつまでも守る必要はない
さて、ここで少し話がややこしくなる。
決めたらすぐに動く。
それはわかった。
では、一度決めたことは最後まで変えてはいけないのだろうか。
僕はそうは思わない。
商売をしていれば、当初の予定どおりにいかないことなど日常茶飯事だ。
材料が変わる。
お客様の要望が変わる。
予算が変わる。
市場の状況も変わる。
そんなときに、最初に決めたからという理由だけで同じ方法に固執するのは、少し違う気がする。
重要なのは、何のためにその仕事をしているのかという目的だ。
お客様に喜んでもらうこと。
良い商品をつくること。
適正な利益を確保すること。
その目的を達成するために、必要なら方法を変えてもいい。
いや、むしろ変えるべきなのだと思う。
決断に責任を持つことと、決断を変えないことは同じではない。
ここを勘違いすると、決意が単なる意地になってしまう。
便利な時代だからこそ、実行力が問われる
最近は生成AIを使う機会が増えた。
商品企画、文章作成、資料づくり、経営分析。
以前なら何時間もかかっていたことが、驚くほど短時間でできるようになった。
これは本当にありがたい。
一方で、少し気になることもある。
アイデアを出すことが、あまりにも簡単になってしまったのだ。
新商品のアイデアを10個。
販売戦略を5パターン。
SNSの投稿案を30本。
お願いすれば、次々と提案してくれる。
ところが、どれだけ立派な提案が並んでも、実際に商品をつくり、販売し、お客様に届けるのは人間の仕事だ。
AIが考えてくれたからといって、商売が自動的に成長するわけではない。
むしろ、アイデアを考えることが簡単になった分、それを実行する人としない人の差は、これからますます大きくなるのではないだろうか。
僕自身、AIに相談して満足してしまうことがある。
これは気をつけなければいけない(笑)。
結局、最後に必要なのは、やってみようと決めて動くことなのだ。
立冬の日に思うこと
今日は立冬。
季節は人間の都合などお構いなしに進んでいく。
暑い暑いと言っていた夏が過ぎ、秋が来たと思えば、もう冬だ。
僕らが何かを決めようかどうしようかと迷っている間にも、時間は確実に過ぎていく。
もちろん、焦る必要はない。
人生も商売も、何でも早ければいいというわけではない。
じっくり考える時間が必要なこともある。
ただ、いつまでも準備ばかりしていては、次の季節が来てしまう。
そう考えると、今日という日にも少し意味があるような気がする。
暦の上では冬の始まり。
だったら僕らも、何かひとつ、新しいことを始めてみてもいいのではないだろうか。
大げさなことでなくてもいい。
気になっていたお客様に連絡する。
途中になっていた試作品を完成させる。
後回しにしていた仕事に手をつける。
そんな小さなことでも、動き始めれば何かが変わるかもしれない。
最後に
「決意は遅くとも実行は迅速なれ」
この言葉を、僕なりに解釈するとこうなる。
考えるときは、しっかり考える。
決めたことは、すぐに行動に移す。
そして、間違っていたら素直に修正する。
当たり前のようで、なかなかできない。
特に経営者は、考えることが仕事のようなところがある。
でも、考えるだけでは売上は生まれない。
商品も完成しない。
お客様との関係も深まらない。
結局、何かを変えるのは行動なのだ。
若いころは、勢いだけで動いて失敗することもあった。
歳を重ねた今は、逆に慎重になりすぎているのかもしれない。
どちらがいいというわけではない。
ただ、経験を積んだからこそ、もう少し賢く、そして軽やかに動けるようになりたいものだ。
さて、そう言いながら、この文章を書いている間にも仕事はたまっている。
そろそろ考えるのはこのくらいにして、手を動かすとしよう。
明日やろうと思っていることを、今日ひとつだけやってみる。
案外、それが一番難しく、一番大切なことなのかもしれない。
⸻
最後に、僕たちの紹介を少しだけ。
僕たちナノナノファクトリーは、福岡市城南区にある株式会社ひぐち木材から生まれた、木とデジタル加工のものづくり工房です。
長年培ってきた木材の知識と、レーザー加工やUVプリントなどの技術を組み合わせ、木製看板、店舗什器、記念品、オリジナル商品の企画・製作を行っています。
僕たちの合言葉は、「木、Reborn。」
木を再生するだけでなく、新しい価値を与えて再び創り出す。
昔ながらの木材屋が、今までになかった木の可能性に挑戦しています。
木のこと、ものづくりのこと。
何か面白いことを考えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社ひぐち木材/ナノナノファクトリー
Instagram:@nano.wood_digtal_fuk