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長く商売を続けるということ。
2026.10.20.

長く商売を続けるということ。
木材屋を長くやっていると、本当にいろんな会社さんとご縁があります。
工務店さん、不動産屋さん、設計事務所さん。現場で会う大工さんや職人さん。材料を届けた先で交わす、何気ない会話。振り返ると、その一つひとつが、うちの商売の時間になっています。
30年ほど前を思い返すと、街の景色もずいぶん変わりました。
住宅が建ち並ぶ前の土地の様子や、材料を積んで何度も通った道。今でも、その近くを通ると「ああ、ここに納めたな」と思い出すことがあります。建物を見ると、その頃お世話になった方の顔まで浮かんでくるから、不思議です。
当時、勢いのある会社さんを見ると、素直に「すごいな」と思っていました。
現場がいくつも動き、次の計画の話が出る。人が集まって、仕事が広がっていく。若かった僕には、そういう姿がまぶしく見えたものです。
うちも、もっと仕事を増やしたい。
もっと頼られる会社になりたい。
今も、その気持ちは変わりません。やりたいことはあるし、会社を大きくしていきたいとも思っています。
ただ、年齢を重ねるにつれて、会社を見る時も、自分の商売を考える時も、気になるところが少し変わってきました。
この仕事を、どう続けていくか。
次に声をかけてもらった時、ちゃんと応えられるか。
そんなことを考える時間が増えた気がします。
商売をしていれば、忙しい時もあれば、思うようにいかない時もあります。世の中の動きも、お客様が求めるものも変わる。長くお付き合いしている会社さんにも、それぞれに変化があったことでしょう。
外から見えることは、そのうちのほんの一部分です。うちにだって、外からは分からない事情や、日々の悩みがあります。
だから、よその会社の歩みを簡単に語ることはできません。
それでも、昔からのお客様から今も電話をいただくと、うれしいんですよね。
「樋口さん、ちょっと聞きたいんやけど」
その言葉で、いつもの会話が始まる。材料の相談だったり、加工の相談だったり。話しているうちに、昔の現場の話になることもある。
長く商売をしてきてよかったなと思うのは、こういう時です。
もちろん、長い付き合いだからといって、甘えていいわけではありません。むしろ、分かっているつもりになって、確認が足りなくなることもある。これは、自分でも気をつけないといけないところです。
寸法は合っているか。
いつまでに必要なのか。
どんなふうに使う材料なのか。
一つ確認しておけば防げたことが、後になって手間を増やしてしまう。そんな経験をすると、やっぱり日々のやり取りが大事だなと思います。
丁寧な商売というと、少し立派に聞こえますが、実際には地味なことばかりかもしれません。
聞いたことを忘れないように書く。返事を待たせているなら、一度連絡する。間に合わないかもしれないと思ったら、早めに相談する。分からないことを、そのままにしない。
書いてみれば、どれも当たり前です。
でも、忙しい日にも、気持ちに余裕のない日にも、それを続けるのは難しい。僕もできていないことがあるからこそ、こうして書きながら、自分に言い聞かせています。
うちは1970年に父が個人で始めた木材屋です。そこから法人になり、ナノナノファクトリーという名前で、レーザー加工やUVプリントを使ったものづくりにも取り組むようになりました。
昔からの木材販売を続けながら、新しい相談をいただく機会も増えました。
「木で、こんなのできる?」
その一言から、お客様と考えたり、工場でヨッシーと相談したり。すんなりできるものばかりではありませんが、作り方を探して、形になった時はうれしいものです。
木材屋として積み重ねてきたことが、新しい仕事でも役に立つ。新しい仕事で覚えたことが、いつもの材料の提案につながる。そんな行き来も生まれています。
これからも、挑戦はしていきたい。
そのためにも、一件の仕事にどれだけ時間がかかるのか、材料はどれだけ使うのか、きちんと見ておく必要があります。続けられる価格で仕事を受けることも、納期を無理なく組むことも、僕の大事な仕事です。
お客様に喜んでもらえて、作る側も次の仕事に向かえる。そういう仕事を、一つずつ増やしていきたいと思っています。
30年前には、今の自分たちの仕事の形は想像していませんでした。この先も、きっと変わっていくのでしょう。
その時々で考えて、覚えて、やり方を変えながら、また声をかけてもらえる会社でありたい。
当たり前の商いを、当たり前に。丁寧に。
明日もいろいろあるでしょうが、まずは一つずつです。
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木で、「こんなのできる?」を形に。
ナノナノファクトリーでは、店舗什器・ディスプレイ・看板・ノベルティ・オリジナル商品など、木を使ったものづくりをお手伝いしています。
まだイメージがまとまっていなくても、まずはお気軽にご相談ください。一緒に考えるところから始めます。